トンローってどんな街?
このエリア紹介では、これまでスクンビットとプロンポンについてご紹介してきました。
第1回 バンコクの日本人街「スクンビット(Sukhumvit)」はこんなところです
第3回目となる今回は、プロンポンと並びバンコクで最も日本人が多く住むエリアであり、タイ人の富裕層も多く暮らす街でもある「トンロー」をご紹介します。
トンローってどこ?
赤い箇所がトンローエリア
トンローは、BTSトンロー駅前から北に伸びるスクンビット・ソイ55(トンロー通り)を中心としたエリアを指し、ソイ(通り)の番号でいうとおおまかに以下の範囲となります。
- 奇数側 スクンビット・ソイ51〜57
- 偶数側 スクンビット・ソイ36〜40
プロンポンは、駅直結の「エンポリアム」と「エムクオーティエ」という2つのデパートに代表されるように駅前が開発され、BTSプロンポン駅を中心に生活圏が築かれています。
一方、トンローはプロンポンとは異なり、BTSトンロー駅前には、デパートやショッピングモールのようなランドマーク的な存在はなく、屋台や商店街などの昔ながらのローカルな雰囲気が残っています。
我々日本人や外国人にとってトンローの生活圏の中心となるのは、トンロー通りを中心としたエリアになります。
大人の流行発信地 トンロー通り
トンロー通り
トンロー通り(スクンビット・ソイ55)は、BTSトンロー駅前のトンロー交差点からセーンセープ運河(ニューペッブリー通り)まで、トンローエリアを南北に貫くおよそ2.5㎞の通りで、「トンロー」とは一般的に、このトンロー通りのことを指します。
トンロー通りから東西に小さなソイが伸び、西はプロンポン、東はエカマイに抜けることができます。この小さなソイに無数とも言えるコンドミニアムが立ち並んでおり、このエリアには我々日本人だけでなく欧米系の駐在員やタイ人富裕層が多く暮らしています。
日本の旅行ガイドブックでは、トンロー通りを「バンコクの青山」と形容していることが多いですが、私がバンコクに暮らし始めた5年前は、「言うほど華やかでもないし、青山には程遠いな」と感じていました。
ですが、この5年で激変。トンロー通り沿いには、毎月、いや毎週のようにレストラン、カフェ、バー、マッサージ店、スパ、美容室、クリニック、コミュニティモールなどが新規オープンし、急激に街の表情が変化しています。間違いなく、今のバンコクで最も勢いのある街と言えるでしょう。
サイアムがタイの若者の流行発信地であるならば、トンローは大人の流行発信地として、その地位を確固たるものにしています。
日本食密集地帯 トンロー・ソイ13
トンロー・ソイ13には日本食レストランが軒を連ねる
トンロー通りには、「犬も歩けば日本食レストランに当たる」という表現がピッタリなほど、どこにでも日本食レストランを見つけることができます。トンロー通り沿いだけでも数十軒の日本食レストランが出店していますが、トンローエリアの中でも最も日本食レストランが密集するのが、トンロー・ソイ13です。
トンロー・ソイ13は、西に進むとスクンビット・ソイ49に通じています。スクンビット・ソイ49には、日本語対応総合病院「サミティベート病院」や、日本人奥様御用達のフジスーパーなど、日本人向けのサービスが充実し、スクンビットエリアの中で最も日本人が多く暮らすソイのひとつです。
トンロー通りとスクンビット・ソイ49を繋ぐこのトンロー・ソイ13には、必然的に日本食レストランが多く集まり、バンコク随一の日本食レストランの密集地帯となっています。
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トンロー通り沿いのコミュニティモールまとめ7選!
トンロー通りではこの数年、コミュニティモールの新規オープンが続いています。それでは、トンロー通り沿いにある新旧7つのコミュニティモールをまとめてご紹介しましょう。
トンローの元祖ランドマーク! J-Avenue
J-Avenue
2004年に、トンロー・ソイ15の入口に開業したJ-Avenueは、トンローの元祖ランドマークといえる存在です。J-Avenueの開業をきっかけにバンコクではコミュニティモールの開発が盛んになり、今に続くコミュニティモールブームが生まれました。
開業から12年が経過した今もなお、このJ-Avenueがトンローの中心であり、トンローをトレンド発信地に押し上げた立役者とも言えるのではないでしょうか。
最新のおしゃれモール! THE COMMONNS
The COMMONS
2015年末、トンロー・ソイ17にオープンしたThe COMMONS。J-Avenueのすぐ裏手という絶好のロケーションかつ、バンコク有数の人気カフェ「ROAST」のオーナーが手掛けるモールということで、今、トンローで最も話題のモールです。
トンローのど真ん中ということを忘れさせる心地よいオープンエアの設計は一見の価値があります。
まるでギャラリー!? 72 Courtyard
72 Courtyard
The Commonsのトンロー通りを挟んだ向かい側にあるまるで美術館のような一面コンクリート造りの目を引く建物が、オープンしたばかりのコミュニティモール「72 Courtyard」です。
1階の路面店には、サトーンやスクンビット・ソイ49にも出店する人気のカフェ「ROCKET Coffeebar」の新店舗「Rocket X 72 Courtyard」が入居し、早くも連日満席になるほどの大盛況です。今後、要注目のモールです。
新たなランドマークとなるか?! MAZE Thonglor
MAZE Thonglor
トンロー・ソイ4と6の間にソフトオープン中の「MAZE Thonglor(メイズ・トンロー)」。レストランやアパレルショップ、クリニックなど25店が出店を予定してるようですが、現在オープンしているのは、1階のカフェ「THE COFFEE CLUB」の他に数店舗のみ。グランドオープンが楽しみですね。
ハイソな香り漂う8Thonglor
8Thonglor
トンロー・ソイ8の入口、パンパシフィック・サービススイーツに併設されたモール「8 Thonglor(エイト・トンロー)」。バンコク屈指の集客を誇るステーキレストラン「EL GAUCHO ARGENTINIAN STEAKHOUSE」の支店を筆頭に、日本料理、インド料理、レバノン料理などのレストランや24時間営業のスーパー「フードランド」、ブティック、スパ、エステなどが入居し、ハイソな街トンローの雰囲気を感じられるモールです。
派手さよりも利便性! トンロータウンセンター
Thonglor Town Centre
トンロー・ソイ4の入口に位置するトンロータウンセンターには、外国食材を多く扱うスーパーTOPSやスタバ、バーガーキング、レストランなどが入居しています。特に流行りのお店があるわけではないのですが、いつも駐車場は満車。場所柄フェラーリやランボルギーニ、ポルシェなど高級車もよく見かけます。
トンロータウンセンターは、おしゃれスポットではありませんが、トンロー界隈に暮らす人々が日常生活を送る上では欠かせない存在です。
BTSトンロー駅から最も近いモール FIFTY FIFTH THONGLOR
FIFTY FIFTH THONGLOR
トンロー・ソイ2の入口にある「FIFTY FIFTH THONGLOR(フィフティー・フィフス・トンロー)」は飲食店を中心とした小規模なモールです。日本食レストランは大阪王将、永遠希(とわき)の2店が入居しています。オーガニックプロダクトを扱う「Lemon Farm(レモンファーム」も人気です。
以上、トンロー通り沿いにある新旧7つのコミュニティモールをご紹介しました。トンロー通りからソイを入ったところにもモールはあり、トンローはコミュニティモールの密集地帯とも言える様相を呈してきています。地元タイ人の間では「トンローで商売が続けば一人前」だと言われるほど、その競争は激しく、年々その激しさは増しています。
昨年には、フランスの有名ブランジェリー「Maison Eric Kayser(エリックカイザー)」、日本からは京都祇園の老舗鉄板焼き店「みかく」がトンロー通り沿いに出店を果たし、タイ人富裕層や接待需要で盛況と聞いています。
トンローは今や、世界中から一流店が競って出店をする街となりつつあるのです。
そして、今後益々その地位を不動のものにしていくでしょう。驚くことにトンロー通りには「グレーライン」と呼ばれる新路線(モノレール)の開通も計画されているのです。
グレーラインとは?
中央を南北に走るのがグレーライン
グレーライン(Grey Line)とは、2014年にタイ政府より発表されたバンコクを南北に貫くモノレールの新路線計画です。北はラムイントラ通り(Ram Indra Road)からトンロー通り、スクンビット通り、ラマ4世通り、ラチャダーピセーク通り、ラマ3世通りを通り終点はラマ9世橋。
トンローを通るグレーラインは、BTSトンロー駅との接続、そしてトンロー・ソイ10とソイ25に駅の建設が予定されています。
トンロー・ソイ10は、エカマイに抜けられる利便性の高いソイであり、すでに開発が進んでいます。周辺にはレストラン、バー、コンドミニアムなどが林立し、ソイ15のJ-Avenue周辺と並んでトンロー屈指の繁華街でもあります。
トンロー・ソイ10
トンロー・ソイ25はトンロー通りの北、センセーブ運河の手前に位置しています。このトンロー北側はまだそれほど開発が進んでいないエリアです。今後、グレーラインの計画が現実化するにつれ開発が進むことは間違いないでしょう。
トンロー・ソイ25
トンローは今後もバンコクで最も変化していく街
以上、トンロー通りを中心としたトンローエリアについてご紹介しました。
バンコクの流行発信地、そして我々日本人を含む外国人駐在員が最も多く暮らす住宅街という2つの側面を持つトンロー。今後もグレーラインを筆頭に、開発計画が目白押しです。
今、我々が見ているトンローの風景も、あと5年もすればこの街はまったく別のものに変わっているはずです。バンコクで最も変化の激しい街、それがトンローなのです。
ぜひ、この日々変わりゆくエネルギッシュなトンローで、あなたの駐在生活を送ってみませんか?